【華麗】鮮やかな手口に酔いしれる!「強盗・クライム映画」傑作5選
0.1秒の狂いも許されないタイムスケジュール、鉄壁のセキュリティを無効化するハッキング、そして虚を突く大胆なアクション。
「強盗・クライム映画(ヘイスト・ムービー)」の魅力は、道徳を超越した「プロの仕事」の美しさにあります。不可能な目的を達成するために集められたスペシャリストたちが、それぞれのスキルを完璧に噛み合わせる瞬間、観客は禁断の爽快感を味わうことになります。
今回は、緻密に練られた「計画の面白さ」と、それを彩る「スタイリッシュな演出」にこだわった傑作を5本厳選。映画史に残る鮮やかな犯行の手口を、その目で見届けてください。
第5位:ミニミニ大作戦 (The Italian Job)
| 公開年 | 2003年 |
|---|---|
| 監督 | F・ゲイリー・グレイ |
| 主なキャスト | マーク・ウォールバーグ / シャーリーズ・セロン / ジェイソン・ステイサム |
あらすじ:ヴェネチアからLAへ。奪われた金塊を取り戻せ
プロの泥棒集団を率いるチャーリーは、イタリアのヴェネチアで金塊を奪うことに成功するが、仲間の一人スティーヴの裏切りにより、金塊と師匠の命を失ってしまう。
数年後、チャーリーはLAで贅沢な暮らしを送るスティーヴの居場所を突き止める。金塊を奪還するため、爆薬、ハッキング、運転のプロに加え、師匠の娘で金庫破りの達人ステラを仲間に加え、伝説の小型車「ミニクーパー」を駆使した前代未聞の強奪計画を始動させる。
【見どころ】「ミニクーパー」による究極の機動戦
この映画の白眉は、なんといってもクライマックスのカーチェイス。3台のミニクーパーが地下鉄のホームや階段、細い路地を縦横無尽に走り抜けるシーンは、実車によるスタントならではの説得力があります。
「信号機をハッキングして交通網をコントロールする」という、当時としては先進的だったロジスティクス重視の計画も面白く、プロフェッショナルたちがそれぞれの役割を全うする様は、観ていて非常に清々しい傑作です。
第4位:インサイド・マン (Inside Man)
| 公開年 | 2006年 |
|---|---|
| 監督 | スパイク・リー |
| 主なキャスト | デンゼル・ワシントン / クライヴ・オーウェン / ジョディ・フォスター |
あらすじ:完璧な犯行、誰も傷つかない強盗
マンハッタンの銀行で、画家を装った4人組による白昼堂々の強盗事件が発生。犯人グループは人質全員に自分たちと同じ作業服を着せ、誰が犯人で誰が人質か分からない状況を作り出す。
現場に駆けつけた敏腕交渉人フレイジャー。しかし、主犯格のダルトンは終始余裕の態度を見せ、時間は刻一刻と過ぎていく。さらに、銀行の会長から依頼を受けた謎の交渉人マデリーンが介入し、事態は単なる強盗事件以上の複雑な様相を呈し始める。犯人たちの真の目的は何なのか?
【見どころ】観客を欺く「ミスディレクション」の構成美
「強盗映画」の概念を覆す知的な脚本。犯人が何を盗もうとしているのか、どうやって逃げるのかという謎が、ラストで見事に氷解します。
「人質を全員犯人と同じ服にする」という視覚的な混乱を利用したトリックや、会話の中に散りばめられた伏線。スパイク・リー監督らしい社会的なスパイスも含みつつ、エンターテインメントとしてのカタルシスも忘れない。鑑賞後、もう一度最初から「犯人がどこにいたのか」を確認したくなる、IQの高い一作です。
第3位:ヒート (Heat)
| 公開年 | 1995年 |
|---|---|
| 監督 | マイケル・マン |
| 主なキャスト | アル・パチーノ / ロバート・デ・ニーロ / ヴァル・キルマー |
あらすじ:二人のプロフェッショナル、宿命の対決
冷徹なプロの強盗団を率いるニールと、執念深く彼らを追うロス市警の敏腕刑事ハナ。二人は立場こそ違えど、仕事にすべてを捧げ、それ以外の私生活を犠牲にしているという点で共通した魂を持っていた。
白昼の銀行襲撃に成功したニール一味だったが、わずかな綻びからハナの追跡を許してしまう。銃火器が火を噴くLAの路上。命を懸けた攻防の果てに、二人のプロフェッショナルが辿り着いた結末とは。
【マニア目線】音響設計とリアリズムの頂点
この映画の最大の見どころは、映画史に残る12分間の市街地銃撃戦です。
「銃声に一切の装飾を加えず、ビルに反響する実音を録音した」という拘り抜かれた音響は、スピーカーが震えるほどの迫力。また、犯人グループがタクティカルな射撃姿勢やマガジンチェンジを完璧にこなす「プロの所作」は、軍事顧問がついた本格的なもの。渋すぎる男たちの哀愁と、圧倒的なリアリズムが同居する、クライム映画のバイブルです。
第2位:スナッチ (Snatch)
| 公開年 | 2000年 |
|---|---|
| 監督 | ガイ・リッチー |
| 主なキャスト | ブラッド・ピット / ベニチオ・デル・トロ / ジェイソン・ステイサム |
あらすじ:86カラットのダイヤを巡る、群像劇パズル
アントワープで強奪された86カラットの巨大ダイヤモンド。それをNYへ届けるはずの運び屋フランキーは、ロンドンの闇ボクシング界を巻き込んだ、予測不能なトラブルに巻き込まれてしまう。
ギャンブル中毒の運び屋、不死身のロシア人、裏ボクシングのプロモーター、そして何を言っているか分からない最強のジプシー。いくつものグループがそれぞれの思惑でダイヤを追いかけ、事態は複雑怪奇に絡み合っていく。最後にダイヤを笑って手にするのは誰だ?
【プロの視点】編集のリズム感とマルチ・プロット
ガイ・リッチー監督独自のスピーディーなカット割りと、並行して進む複数のストーリーが一つの点に集約していく構成が完璧です。
それぞれのキャラクターが際立っており、会話劇のテンポも音楽を聴いているかのように心地よい。複雑なプロットですが、絶妙なナレーションと編集によって「置いてけぼり」にさせない手腕は見事。スタイリッシュな映像表現と、皮肉なユーモアを楽しみたい方に最適です。
第1位:オーシャンズ11 (Ocean’s Eleven)
| 公開年 | 2001年 |
|---|---|
| 監督 | スティーヴン・ソダーバーグ |
| 主なキャスト | ジョージ・クルーニー / ブラッド・ピット / マット・デイモン |
あらすじ:1億6000万ドル。ラスベガスを出し抜け
刑務所から出所したばかりのカリスマ的泥棒ダニー・オーシャン。彼が次に狙ったのは、ラスベガスの巨大カジノ「ベラージオ」の巨大地下金庫だった。
金庫を守るセキュリティは最新鋭。オーシャンは、相棒のラスティーと共に、スリの達人、爆弾魔、ハッカー、元ディーラーなど、全米から11人のスペシャリストを召集する。ターゲットは冷酷な経営者ベネディクトが所有する3つのカジノの売上金、総額1億6000万ドル。前代未聞の強奪作戦が幕を開ける。
【見どころ】これぞ「プロのオールスター戦」。全シーンがアイコン
第1位は文句なしのこれ。強盗映画を一つの芸術の域まで高めた傑作です。
「多重に仕掛けられた計画」と「それを裏書きする伏線回収」。何より、登場人物全員がプロフェッショナルとして誇りを持ち、お互いを信頼して仕事をこなす姿が最高にかっこいい。豪華キャストの競演はもちろん、ソダーバーグ監督によるジャズ調のサントラと、計算し尽くされたカメラワーク。娯楽映画として、そしてクライム映画としての完成度はこれ以上ありません。
まとめ:プロフェッショナリズムという美学
今回紹介した映画の主人公たちは、犯罪者でありながら、私たちを惹きつけて止みません。
それは、彼らが自分の持つスキルにプライドを持ち、妥協なく「仕事」を遂行するプロフェッショナルだからです。
緻密な計画が現実を動かしていく爽快感は、日常のストレスを忘れさせてくれます。
次に映画を選ぶ際は、彼らの「鮮やかな手際」を参考にしてみてはいかがでしょうか。

コメント